工務店に設置だけをお願いすると嫌がられる理由

工務店Aに設置だけをお願いしたら嫌がられて断られた

以前、我が家で、壁に埋め込むタイプの収納ボックスが壊れたことがあった。

新しい収納ボックスへの交換を依頼したいと思って工務店Aに問い合わせたら下記のような見積をもらった(正確な数字は忘れたので大体の金額)。

  • 新しい収納ボックスの料金…2万円
  • 設置費…1万円

ちょっと懐が痛い気もするが仕方ないか・・・と思いながら何気にネットショップで同じ収納ボックスを探してみたら・・・あった。え?

7千円?

工務店Aの見積では2万円の収納ボックス。それがネットショップでは7千円で売られてる!半額以下!(もちろん新品!)

工務店Aの人はネットショップを見てないのかな? こういう事実を知らないのかな?

で、工務店Aに電話して相談してみた。

あの、収納ボックスはこちらで用意するので、設置だけお願いすることはできますか?

そうすると、電話の向こう側の女性が「少々お待ちください。社長にかわります。」と言った後、社長が電話に出た。(社長は70歳くらいの男性。以前、見積するために我が家に来たことがある)

社長の声は不機嫌そうだった(職人だから普段でもそんな感じなのかも?)。そして焦点の合わない話をのらりくらりと始めた。

あのねー、★〇▼✕Θ・・・☆♫Ξ∈・・・■÷dⅨ〇▼・・・

工務店A

何を言いたいのかまったく分からない・・・しばらく黙って聞いていたがラチがあかないのでもう1度聞いてみた。

あの、それで・・・設置だけお願いすることはできませんか?

すると・・・

・・・じゃぁ、別のところに頼んだら?

工務店A

と言われてしまった。

工務店Aから納得のいく(具体的な)説明は一切なかった。

なので、このとき私は

この工務店Aはボッタクリなのでは? 本当は安い品物を見積では法外に高い金額にしているのではないか? 悪質工務店!?

と思った。

 

仕方ないので、設置だけしてくれる別の工務店を探してみたら(運良く?)工務店Bを見つけることができたので、そこにお願いして無事設置してもらうことができた。

工務店Aの機嫌が悪くなった理由を工務店Cに聞いてみた

その後、収納ボックスを設置してくれた工務店Bとは縁が切れ、工務店Cとのお付き合いが多くなった。

工務店Cのご主人は私と年齢が近いだけでなく、Eメール・SNS・ネットショップなども使いこなしているので話がしやすい。

で、あるとき工務店Cのご主人に工務店Aの話をしてみた。

こういうことがあったんですが、工務店Aってボッタクリだったんですかね~?

すると、私の予想とは異なる返事が返ってきた。

工務店Cのご主人の説明は次の通りだった。

施主支給品に対する責任について

施主(せしゅ)支給で設置したものは、壊れたり問題が発生しても、工務店側では責任が取れないんですよ。

工務店C

MEMO

客側がモノを用意することを「施主(せしゅ)支給」と言うようです。

「施主」は仏教に関する言葉としても使われますが、ここでは「工事の発注者」の意味になります。

工務店の儲けについて

工務店としては、正規のルートでは定価または70%くらいの値段で提供できますが、ネットショップのような価格では提供できません。

工務店C

ネットショップに出店している業者は年間「数百・数千万円」という取引を問屋としています。取引額が多くなれば仕入れの金額も安くなるわけです。私のような業者だとネットショップで売っている金額には全くと言っていいくらい歯が立ちません。

工務店C

施主支給は正直儲けが少なく、後でクレームを言われても困るので、断る業者はいます。それは普通の事だと思います。我々も商売ですから本音としては施主支給はあまりやりたくはないのです。

工務店C

その分、自分で施工したものに関しては何かあれば即対応すると言う事で対応しています。

工務店C

確かに、この工務店Cに施工してもらったものについてはご主人が後々までケアやサポートしてくださったり、最近は家のちょっとしたことについては無料で対応してくれたりするので、私は工務店Cを信頼して(施主支給を考えることもなく)お任せするようにしています。今回のように説明も丁寧にしてくれますし、とても正直に話をしてくれるご主人でもあります。

工務店Cのご主人は、工務店が施主支給で困る例として、次のような話もしてくださいました。

トラブル例(1)

施主支給の場合、部品が足りなくて何度か足を運びなおさなければならないこともあり、その場合はその手間賃をいただくことになります。

工務店C

こういう場合、手間賃が予想以上に高額になってしまうこともあるようです。

トラブル例(2)

あるお客様の家のトレイタンクの浮き球が劣化して壊れました。

工務店C

工務店側は経験上「浮き球を交換するついでにゴム玉も交換すべきである」と思っています。

工務店C

でも、そのお客様は少しでも安く済ませたいので浮き球を自分で買ってきて「浮き球だけを交換してくれ。それでいいから」と言いました。

工務店C

浮き球の交換作業は無事終了したけれど、半年も経たないうちに「水が漏れてきた」とお客様から連絡があり調べに行ったところ、ゴム玉の劣化が原因でした。そのことをお客様に伝えると「それを見抜けない業者が悪い」みたいな空気になりました。

工務店C

トラブル例(3)

お客様からフェンス工事の依頼を受けたけれど、フェンスはお客様自身がホームセンターに予約注文したオリジナル商品でした。

工務店C

ホームセンターオリジナルの商品って月に1~2回しか生産しないし、タイミングがずれると納期に1月以上かかる場合もあります。

工務店C

結局、予定していた工事期間中に作業できず、3週間も待たされることになりました(きちんとしたメーカールートならば1週間以内なのですが)。

工務店C

このような場合、予定していたが作業できなかった期間の費用を客側が持たなければならないことがあるようです。

工務店Cのスタンス

施主支給の場合、私はそういったトラブルが無いようにしつこく説明して納得していただいた上で設置します。

工務店C

施主支給での仕事を私は「露骨」に嫌がりませんが、嫌がる業者はやはり多いと思います。

工務店C

ということでした。

施主支給によるその他のトラブル

施主支給によるトラブルは他にも色々あるようです。サイズが合わない、種類が違う、不良品だった、保証がない、等。

「施主支給 トラブル」などのキーワードでググってみると他のトラブル例も見つかると思います。

 

この記事が、自分でモノを用意して業者に設置だけをお願いしたいと考えている方の参考になれば幸いです。(ちなみに「施主支給は絶対ダメ!」というつもりで書いた記事ではありません)

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