クリップマスクの作り方
クリップを使って、マスクを超簡単に自作できます。しかもマスクの布部分は交換可能なので衛生的、そして安価(数百円~?)。
このクリップマスク(便宜上ここではそう呼ぶことにします)をすでに自作されている方も多いようですが、まだ認知度が低いようなので、この記事で紹介してみます。
ちなみに、ちょうど先日(4/2ぐらい?)、同じようなものが商品としても販売開始されたようです。気になる方は「なんでもマスク」でググってみてください。私が商品ページを確認したところ価格は880円でした(売り切れでしたが)。
材料
材料は3種類。
1.クリップ
1つのマスクを作るために、下図のようなクリップを4つ使います。
このクリップは、下記のように、いろいろな名称で呼ばれているようです。
- クリップ
- フィッシュクリップ(←この呼ばれ方が多いようです)
- ワンタッチクリップ
- 汎用クリップ
- マルチクリップ
- サスペンダークリップ
- ポケットバッグ用クリップ
私がネットショップで検索してみたところ、小サイズの透明または白色のクリップは一部で品薄になっているようでした。
ネットショップで購入する際は、購入前に、販売者のプロフィールを確認することをお勧めします。アマゾンではクリップの販売者の所在地が中国になっていることが多く、「在庫あり」のクリップを注文したとしても、なかなか商品が届かないようです。
ネットショップで透明のクリップを買いたい場合は、「クリップ 透明」で検索すると、ちょっと形は違うものの、使えそうなクリップもまだあるようですよ。
(4月中旬 追記)
すでにメルカリやラクマなどでフィッシュクリップの転売が始まっていますね。透明または白いクリップは1個130円~200円くらいで売られているようです。
見た目にこだわらなければこんなクリップ(バインダークリップ)でも作れます(これはこれでなかなかワイルドな仕上がりになります・・・)。
ちなみに、100円ショップで売ってる下図のような伸び縮みするストラップを使うと、材料の「ゴム紐」も不要になります。
こちらの名称は「スプリングストラップ」。
こちらの名称は「カールコードストラップ」。
あと、ヒモ部分の両端にクリップが付いている「帽子クリップ」という商品もあるので要チェックです。
2.ゴム紐
マスク用のゴム紐でも良いし、パンツ等の腰のゴム紐でも良いし、輪ゴムでも大丈夫です。
3.口と鼻を覆える大きさの布など
ハンカチでも良いし、ガーゼでも良いし、キッチンペーパーでも良いし、古着を切ったものでも良いと思います。
医療用ガーゼはなるべく使わない(新たに買わない)ほうが良いと思います。万が一買い占めが起きると本当に必要な人に届かなくなってしまうので。それに化学繊維が混じってるものが多く、小さな毛羽立ちもできやすいと思うので、口にあてるには不向きかと。
キッチンペーパーも、品薄状態が続いているうちは避けたほうが良いかもしれませんね。
もともと所持していたハンカチや古着がお勧めです。
作り方
ん・・・?「材料を見て作り方はもう分かった」?「説明いらね」?
まぁ、一応、書いておきますね。
ダイソーのスプリングストラップを使う場合
ひとつのマスクを作るのに4つのストラップを使います。
まず、ストラップの1つから、クリップを取り外します。
で、外したクリップの穴に、別のストラップの端を入れて、1つのストラップにします。
できたら、同じものをもう1組作ります。
2組できたら「口と鼻を覆う布」に取り付ければ完成です。下図はガーゼを使った例です(2つ折り×2枚)。
クリップの位置とか表・裏を変えると、装着感が変わります。そのへんはいろいろ試してみて、自分の好みにすれば良いと思います。
装着してみるとこんな感じす。
悪くないでしょ?
こちらは黒色のクリップと、キッチンペーパーの組み合わせ。
黒色はちょっと目立ちますね。
あと、ガーゼと比べると、キッチンペーパーはちょっと頼りない感じ。顔へのフィット感もいまひとつ。
こちらはハンカチを使った例。
ハンカチがしわくちゃのままで失礼・・・。^^;
アイロンかけて、畳み方をもう少し工夫すれば、もっと見栄えが良くなりますね。
ゴム紐として輪ゴムを使った例
ゴム紐として、どこにでもある輪ゴムを使った例です。
輪ゴム1つだと短いので、2つの輪ゴムをつないでみました。
念のため解説すると、片方の輪ゴムの赤丸部分を矢印のようにくぐらせて・・・
2つの輪ゴムを1つにします。
で、つなげた輪ゴムの端を、①クリップの穴に通してから、②輪ゴムのもう一方の端の穴に通します。
同じ要領で、①輪ゴムの端をもう1つのクリップの穴に入れて、②その輪ゴムの端の穴にもう一方のクリップを通す。
2つのクリップがつながりました。
ガーゼの右側に輪ゴムでつないだクリップを付けてみました。
装着すると、こんな感じです。
輪ゴムが細いので、長時間このマスクを装着してると、耳が痛くなりそうですね。
そういう場合は、太い輪ゴムを使用するか、複数本の輪ゴムを使用すると良いかもしれません。
バインダークリップを使った例
こちらは、バインダークリップを使った例です。
人前で付けるのは勇気が要りますね(笑)。
でもこれはこれで、こういうワイルドなデザインなんだと思えば・・・思い込めば・・・。
クリップの金具を立てると更にワイルドに。^^;
マスクのゴム紐が緩い場合
マスクを装着して緩く感じる場合は、紐部分の長さを調整するよりも、「口と鼻を覆う布」の端を折って長さを調整するほうが簡単だと思います。
こんな感じで。
頭掛け式
クリップの付け方を変えれば、頭掛け式にするのも簡単。
ヒモ部分が短い場合は、もっと長いゴムなどに付け替えましょう。
頭掛け式よりも耳掛け式のほうが、付けたり外したりするのは楽ですね。
オマケ ~ その他の簡単なマスクの作り方
ハンカチマスク
ハンカチマスクは色々な作り方がネットで公開されているので、ご自身で検索してみることをお勧めします。
私のお勧めの検索キーワードは「ハンカチマスク 縫わない」です。
靴下とハサミとキッチンペーパーで作るマスク
靴下とハサミとキッチンペーパーで2分で作れる手作り #マスク の裏ワザ…と書くと伊東家の食卓みある
pic.twitter.com/whQZtFkmLY— 単眼愛(モノアイ) (@mono_i_love) April 11, 2020
キッチンペーパーで作るマスク
キッチンペーパー、輪ゴム、ホッチキスを使います。
コーヒーフィルターを使ったマスク
コーヒーフィルター、木工用ボンド、はさみ、ゴム紐を使います。
コーヒーフィルター、カッター、輪ゴム、ホッチキスを使います。
抗菌エアコンフィルターで作るマスク
使い捨てマスクをハンカチで包んで繰り返し利用する
以下の記事では、使い捨てマスクをハンカチで包んで繰り返し利用するやり方が紹介されています。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200412-00010003-esse-life
フェイスマスク/フェイスカバー/ネックゲイター(buff、MISSION, etc.)などの利用
とくにスポーツ用のネックゲイターは息をするのが楽だそうです。
夏は暑いかな?
オマケ ~ マスクの効果について
マスクの効果について、まだ誤解が多いように思われるので、まとめてみます。
一般的なマスクの効果
主な目的は「他人にうつさない」こと
日常生活の中で使用される一般的なマスクについて、最も期待される機能は、自分の飛沫を周囲(他人や他人が触れるもの)に飛ばさないこと、です。
特に現在猛威をふるっている新型コロナウイルスの場合、感染していても症状が出ていない人が知らず知らずのうちに感染を広げていることが指摘されています。
このようなことを防ぐために、症状が出ている人はもちろん、無症状の人でも、マスクの装着は大きな意味があると考えられます。
「咳の症状がなければ人前でマスクなんて着用する必要は無いでしょ」という考えが一部にあるようですが、それは違います。
人は、くしゃみをするときや大きな声を出すときはもちろんですが、通常の会話をするレベルでも、口から飛沫を飛ばしています。
感染症学を専門としている国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院の岩田感染症部長によると、新型コロナウィルスの場合、マスクをしないで(お互いの手が届く程度の近距離で)数分立ち話をしただけで感染の危険があるそうです。そのため、2m以上のソーシャルディスタンス(社会的距離=周囲の人との間に取るべき最低限の距離)を取るべきとされているのはご承知の通りです。(4m以上の距離を取るべきだという研究もあります)
会話をしない場合でも、マスクをせずに歩いている人(または走っている人)の後ろを歩く(または走る)ときは注意が必要です。
マスクをせずに歩いている人(または走っている人)が咳やクシャミをすると、気流の関係で、その人の後方に飛沫が飛んでいくからです。
従って、
- マスクをせずに歩いている人の後ろを歩くときは4~5m以上の距離を取ったほうが良い
- マスクをせずに走っている人の後ろを走るときは10m以上の距離を取ったほうが良い
(※ただし、マスクをして走る場合、吸入する酸素が少なくなるので注意が必要です。楽に息ができ、会話ができるくらいのペースで走りましょう) - マスクをせずに自転車に乗っている人の後ろを自転車で走るときは20m以上の距離を取ったほうが良い
とされています。または
- マスクをせずに歩いている人(または走っている人)の後ろを歩く(または走る)ときは、横に数メートルほど離れたほうが良い
ということになります。
ちなみに、マスクをしないでクシャミをすると5m近くマイクロエアロゾル(水分が少ない細かい飛沫)が飛び(7~8m飛ぶという報告もある)、密閉空間では30分近くマイクロエアロゾルが空間を漂うという報告もあります。
ちょうど先日(米国時間4月3日)、これまで頑なに「咳の症状が出ていない一般人のマスク着用は意味がない・推奨しない」と言っていた CDC(米国疾病予防管理センター)も、マスクの着用を推奨する方向に方針を変えました。
同様の主張(マスクの着用を推奨しない)をしていたWHOも近々方針を変更するのでは?とみられています。
(追記)
- 3月、チェコ、スロバキア、ボスニアヘルツェゴビナでマスク着用を義務化。
- 4月、ルクセンブルク、イタリアの一部の州がマスク着用を義務化。
- 4月14日、オーストリアで、開店している全ての商店と公共交通機関でマスクの着用が義務化。
- 4月14日、シンガポールで、外出時のマスク着用を義務化。
- 4月16日、ニューヨークで、マスク着用が義務化。
- 4月16日、ポーランドで、公共の場所ではマスクやスカーフ、ハンカチなどで口と鼻を覆うことを義務化。
- 4月27日、ドイツ全州のすべてで、公共交通機関を利用するときのマスク着用を義務化。ベルリン州などを除くほぼすべての州で、買い物の際にもマスク着用を義務化。
- 5月4日、イタリアで、公共交通機関ではマスクやスカーフで鼻と口を覆うよう政令で明記。
- 5月4日、ベルギーで、マスク着用を義務化。
- 5月11日、フランスで、公共交通機関でのマスク着用を義務化。商店でも店員と客のマスク着用が望ましいとした。
- 6月5日、WHO(世界保健機関)は、マスクの使用についての指針を改定し、感染が広がっている地域で十分な対人距離が取りにくい場合は、マスクの使用を推奨すると発表。
- 6月15日、イギリスで、公共交通機関の利用時にマスクの着用を義務化。
防御効果はあまり期待できない
一方、一般的なマスクは、ウイルスに対する防御効果はほとんど無いと言われています(実証実験でも裏付けられているようです)。ウイルスは、ほとんどのマスクの網目よりもずっと小さく、たとえフィルター部分を高性能にしたところで、上下左右の隙間から入り込んでくるからです。
ただし、
- のどを保湿したり、
- 大きな飛沫を防いだり、
- 手であまり顔に触らないようにする
という点において、ある程度の防御効果は期待できるという意見もあります。
- マスクを正しく使用しない場合は、逆に、マスクが感染源になるとも言われているので注意が必要です。
たとえば、マスクは清潔な手で着用し(着用前には手を洗うと良い)、着用後はマスク(特にマスクの表面)に手を触れないようにします。そしてマスクを捨てるときはヒモの部分を持って顔から外し、密閉式のゴミ箱の中に捨てるか、ビニール袋に入れて口を閉じるようにします(使用済みのマスクをポケットに入れたり、そのへんに放置しないようにします)。マスクを捨てた後も手を洗ったほうが良いでしょう。
このようなことから、マスクを適切に使用・管理できない人(とくに小さな子供など)の場合、マスクの着用は(必ずしも)薦められないとする意見もあります。
- 手足を自由に動かせない高齢者、乳児などにマスクをさせると、窒息の危険があります。
- マスクを着用することによって、ウイルスに対して防御できている気持ちになってしまい(繰り返しますが一般のマスクに防御効果はほとんどありません)、手洗いなどをおろそかにしてしまうことも懸念されています。石鹸やハンドソープを使ったこまめな手洗いこそがウイルスに対する最も効果的な防御手段だということを忘れないようにしましょう。対人距離の確保も大切です。
一般的なサージカルマスクの効果
解説としては一般的なマスクとほぼ同じですが、一般的なマスクよりも飛沫をより通しにくい構造になっており、医療従事者などが自分の飛沫を飛ばさないために使用します。
N95 などの高機能マスクの効果
ウイルスの防御に効果があると言われています。もちろん、自分の飛沫を他人に飛ばさない効果もあります。
ただし、装着するとかなり息苦しく、正しく装着するには一定の訓練が必要とされ、顔がきつく締め付けられるため、一般人が普段の生活の中で使用するには適さないと言われています。
下図の左は、N95 相当のマスクを着けて13時間働いた後のイタリアの医師の写真、下図の右は N95 相当のマスクを着けて働いた後のブラジルの看護師の写真です。
N95 相当のマスクを正しく装着し続けることがどれだけ大変なことかが分かります。
オマケ ~ マスクの付け方(裏表の判断)
マスクの上下については、鼻の形に合わせるためのワイヤーで簡単に判断できることが多いですね。
マスクの裏表(内側・外側)については、一部の報道番組で「紐の付け根を外側(表)にして装着するのが正しい」という間違った情報が発信されたため、誤解されている方も多いようです。
実際には、紐の付け根を外側にするのが正しいマスクもありますが、内側にするのが正しいマスクもあります。
マスクの正しい装着のしかたはマスクの種類によって異なるので、そのマスクの箱や袋などに記載されている注意書きを読むようにしましょう。
注意書きが記載されていないマスク(プリーツマスク)の場合、通常は、マスクのヒダに埃がたまらない面を外側にして装着します。
上図のような形状のマスクをプリーツマスク(pleats mask)といいます。
pleats とは「ヒダ」のことです。
食品工場で使用するマスクは、マスクにたまった埃が下に落ちないように、ヒダの向きを上下逆にしているものがある・・・という意見をネットで見かけました。
これが本当なのかどうかは未確認です。普通のマスクを、その現場のルールで、あえて上下逆にして付けてる可能性もありますよね。
ヒダの向きが一方向ではない(上半分と下半分のヒダが逆向きになる)オメガ型のマスク(下図)もあり、この場合はマスクの表裏の判断が難しくなります。
マスクの形状がオメガの記号「Ω」の形に似ているので、このように呼ばれるのでしょうね。
マスクにロゴなどが付いてる場合は、ロゴが外側になるように付けることが多いですね。
マスクを上下に広げたとき、凹んだ側が内側という見分け方もあるようです。
マスクを切って、マスクの素材の順番を確認して判断する方法もあります。使用済みの使い捨てマスクでないとなかなかできない方法ですけれど。
マスクの装着の仕方についての混乱に拍車をかけてるのが、質の悪いC国製のマスクではないかと個人的には疑っています。
質の悪いマスクの中には、そもそも間違った作り方をしているものがあり、間違った装着方法を紹介しているものがあるのではないかと思っています。
マスクを切る前に、マスクのメーカーや販売者に質問してみるのが良いかも?