今日もテレビのニュースで特殊詐欺への注意を促していた。今回紹介されていたやり口は、
金融機関の担当者を装う者から「現在のカードから IC カードへの切り替えを行うので、現在のカード番号と暗証番号を教えてください」という電話があって、番号と暗証番号を伝えてしまうと、あとでカードを取りに来る
というもの。
注意喚起や個別ケースの紹介は必要だと思うけど、毎回お年寄りに対して「こんなケースには注意ですよ!」という伝え方がされるのには疑問を感じる。たとえば、
- IC カードへの切り替えの電話があったら注意!とか
- 還付金がもらえるという電話に注意!とか
- 息子が会社のお金を使い込んだという電話に注意!とか
- アダルトサイトの未払い料金があるという電話に注意!とか
- ネットバンキングの暗証番号を教えてはダメ!
とか・・・。
そんな個別のケースを次から次へと言われても、多くのお年寄りは覚えきれないと思う。いや若い人だって覚えきれない。そんなの無数のケースがある。
それに、特定のケースばかりに注意を払っても、他のパターンで簡単にだまされてしまう。
それよりも、もっと根本的な対策が必要かと。
たとえば、
-
金融機関の手続きや1万円以上のお金の支払いについては、どんな些細なことでも、まず親族や生活相談所などに相談してから判断すると決めておく(貼り紙しておく)
- 電話は常に留守電にしておいて(できれば発信もすべて自動録音する)、金融機関の手続きや1万円以上のお金の支払いについては親族や生活相談所などに相談してから判断すると決めておく(貼り紙しておく)
- 通帳は自分が持ち、印鑑は子供などの親族が預かっておく(カードは作らない)
- お年寄りの手元に置いておく現金は当面必要な分だけにしておく
- お年寄りが自分で金融機関からお金を引き出す必要がある場合は、それ用の口座を作っておいて、残高を親族が管理・調整する(今はネットバンクから簡単にできますね)
- 親族から「お金を用意して欲しい」という電話が来たら、必ず一度切って、(前の連絡先は使えないと言われても)前に聞いていた連絡先にかけ直すか、別の親族や生活相談所などに相談する
とか・・・の対策ではどうでしょう?「それは無理」というのもあるでしょうが、できるものから。
電話を留守電にしておくのは、若い人でも良い対策になると思います。変な電話に時間を取られることも無くなるし、録音を聞いてから必要と思ったものだけにゆっくり考えて返事できますから。おまけに何かトラブルがあったときの証拠にもなり得ます(可能なら発信も自動録音)。
電話してきた人が録音しようとしないなら、そもそもたいした用件でないか、録音されると困るような用件ですよね。留守電にしておくだけで、詐欺電話のほとんどは録音されずにすぐ切れます。それに今のお年寄り以外の年代の人ならば、親しい人とはメールやラインとかですぐ連絡できますしね。
判断力が鈍ってきたお年寄りの場合、自分の判断で簡単に大金を使えてしまう状況を放置しておくのは、ご本人のためにも、まずいですよね。そこの対策が重要だと思います。
今日、埼玉縣信用金庫からハガキが届いたので見てみると
「満70歳以上の個人で過去3年間キャッシュカードで10万円を超える払い戻しが無い人」は、ATMで1日に引き出せる限度額が10万円までになるらしい(10月から実施)。
高齢の人がある日突然高額なお金を引き出そうとしたら「ちょっと待って」ってことですね。