電動自転車(ママチャリ)の変速機の調子が悪いので直してみた

ペダルが突然軽くなる現象

我が家のママチャリは(内装)3段変速の電動アシスト自転車(パナソニック BE-ENNX634 『ViVi NX』2012年頃発売)。

変速機の番号はいつも3(最も重い)に設定してある。

2km先にあるスーパーへ買い物に行くため、このママチャリに乗って家を出たが、その道中で変速機の調子が悪くなった。

走っている途中で、突然、ペダルが番号1(最も軽い)の軽さに変わってペダルの回転数が急に上がってしまい、足がすっぽ抜けそうになった。

「なんだぁ??」と思いつつ、変速機のダイヤルを自分で回して番号を1にしてから3に戻すと、また少しの間は正常な3の重さに戻るが、すぐに番号1の軽さになってしまう。番号1の軽さだとペダルを必死にこいでも自転車がなかなか進まない。まるで幼児向けの三輪車に乗っているようだ。

チェーンカバーのあたり(?)から、ときどき「カラカラ」「ガラガラ」というような異音も聞こえる。

家からだいぶ遠いところまで来てしまったので、いまさら引き返せない。今年初めての雪も降ってきた。こんなところでモタモタしていたら凍死してしまうに違いない。ピ~ン~チ!!

必死にあれこれ試しながらなんとか自転車を進ませていると、やがて良い方法を発見した。

変速機のダイヤルを1から3のほうに回転させてからそのまま3の方向にダイヤルを強くギュ~っと押し続けると(つまり存在しない番号4に設定するかのようにダイヤルを押し続ける感じ)、正常な重さ(番号3)が長いあいだ持続することが分かった。

それで「ははぁ。変速機のワイヤーの張りの問題だな」と気付いた。

 

そんなこんなで、変速機のダイヤルを回す手が疲れてしまったけれど、無事スーパーで買い物を済ませてから、命からがら自宅に生還することができた。

あんな恐ろしい思いはもうこりごりだ。私はすぐに対策に取り掛かった。

必要な工具

必要な工具は2つ。

  • 普通サイズのプラスドライバー

  • 10mm のレンチ

created by Rinker
シグネット
¥548 (2024/04/20 15:08:30時点 Amazon調べ-詳細)

変速機のワイヤーの張りを微調整する

注意

作業中、電動自転車のバッテリーは(付いてると危険なので)外しておきましょう。

下の写真の赤丸部分を「ベルクランク」と言います。

まずプラスドライバーでベルクランクのカバーのネジを外します。

ネジが取れたら、カバーを手前に引くと外れます。

変速機の番号を1(最も軽い)に設定して、下の写真の矢印の先にある棒(プッシュロッドと言うらしい)に刻まれている線を確認してください。この線は、変速機の番号を2(中間の軽さ)にしたときに(棒が引っ込んで)ちょうどギリギリ隠れる位置に来るのが正しい状態だそうです。

MEMO

変速機の番号を1にしたとき、プッシュロッドが最も突き出た状態になります。

変速機の番号を3にしたとき、プッシュロッドが最も隠れた状態になります。

私の命を脅かした自転車は、変速機の番号を2にしたとき、この線が少し(数ミリ?)出ていて見えている状態でした。この線の位置は下の写真の赤丸のところで(変速機のワイヤーの張り具合を変更することで)微調整できます。

下の写真は上の写真の赤丸部分をアップにしたものです。

変速機のワイヤーの張りを微調整するには、まず下の写真の1のナットを 10mm のレンチでゆるめます。次に、2をまわしてワイヤーの張りを調整します。

たとえば私のケースのように、変速機を2番にしたときにプッシュロッドの線が出すぎているなら、上の写真の2のネジをゆるめる方向(反時計まわり)に回せば、ワイヤが自転車前方に引っ張られて、プッシュロッドを抑えているレバーがロッドを押してくれます。

逆にプッシュロッドの線が隠れすぎているなら、上の写真の2のネジを締める方向(時計まわり)に回せば、ワイヤが自転車後方に動くので、プッシュロッドを抑えているレバーがゆるんでプッシュロッドが出てきます。

上の写真の2のネジの調整が終わったら、ペダルを手でまわしながら、変速機の(番号を変えて)テストをしてみましょう。

変速機をテストをして問題なければ、上の写真の2のネジが動かないようにするため、1のネジを 10mm レンチで締めて固定します(このとき2のネジが動かないように注意しましょう)。

カバーを付けて、カバーのネジを締めましょう。

 

この作業で、変速機の調子が再び良くなりました!

ワイヤーの張りを調整してもダメな場合

この記事を書いてから2年後の2021年1月下旬、再び変速機の調子がおかしくなったので、自分で書いたこの記事を参考にして、またワイヤーの張りを調整しました。

ところが、変速機の調子が悪いまま元に戻らなかったんです。

調べてみたところ、原因は下写真のナットが緩んで浮いていたせいでした(ナットの内側の部品が浮いてないかチェック!)。

そのせいで、変速機の数字を3(最も重い)にしてもプッシュロッドが十分に正常位置まで押し込まれなかったようです。

ナットをしっかり締めなおしたら、直りました!

購読する
通知を受け取る対象
guest
3 Comments
Newest
Oldest
Inline Feedbacks
View all comments
はむ
はむ
2023年9月09日 14:37

はじめまして。
ペダルが空回りしてしまい、漕いでも漕いでもなかなか進まず、いつもかかる時間の倍ほどかかってしまい、困り果ててた所、こちらのサイトに辿り着きました。

まさに同じ原因で不調をきたしていたことが判明し、記載してくださった手順通りに作業をすると、すっかり元通りに!

写真も掲載してくださっていたので分かりやすく、本当に助かりました。

作業にかかる時間も、修理費も節約でき本当に感謝しております。

有益な情報をありがとうございました⭐︎

ポン子
ポン子
2021年8月24日 18:56

はじめまして。
2日間変速機がきかなくなり、シャカシャカこぎまくりなからちょびっとしか進まないのを恥ずかしながら繰り返してました。。そんなときにここに辿り着きました。
非常に分かりやすい解説のおかげであっさりなおりました!ブッシュロッドがラインより飛び出てワイヤーがゆるくなってるのが原因でした。
実は初めてタイヤをこないだ自分で交換して、適当に変速機の部分のネジを締めていました。部分がどの動作をしてるのか丁寧に解説してくれて、とてもありがたかったです。
前より走行が快適になりました。ありがとうございました!